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最低賃金、今年は据置きが大勢か?




◆引上げ額の目安は全国平均7〜9円

厚生労働大臣の諮問機関である中央最低賃金審議会(小委員会)は、2009年度の最低賃金の改定額の目安を決定しました。35県については現状維持とし、最低賃金額が生活保護支給額を下回る12都道府県に限って引上げの方針を打ち出しています。その結果、引上げ額は全国平均で7〜9円となり、昨年度実績(16円)を下回る見込みです。
最低賃金は、企業が従業員に支払う義務のある最低限の賃金で、都道府県ごとに決まっています。現在は、最も高いのが東京都、神奈川県などの「766円」、最も低いのが宮崎県、鹿児島県、沖縄県などの「627円」となっており、全国平均は「703円」(いずれも時給換算)です。
今回の目安を反映すると、2009年度には最低賃金額は710〜712円となる見通しです。


◆景気後退の影響は

今回の審議においては、生活保護の支給額が最低賃金の額を上回る地域の解消と、昨秋以降の景気後退の影響をどうみるかが焦点です。昨年は47都道府県すべてで引上げが示されましたが、昨秋以降の急速な景気後退に配慮し、今回は35県を現状維持としました。
引上げを示したのは12都道府県にとどまりました。それも、最低賃金の額が生活保護の支給額を下回る状況を解消するのが狙いで、最も引上げ額が大きいのは東京の20〜30円、最も低いのは秋田の2円でした。


◆賃金の底上げは小幅となる見通し

2007年度・2008年度は賃金底上げを狙い、10円を上回る大幅な引上げ額の目安が示され、2009年度で引上げ実績は7年連続ですが、賃金の底上げは小幅になりそうです。
前述の小委員会は中央最低賃金審議会に結果を報告し、これを受け、審議会が厚生労働大臣へ答申する見通しです。その後、都道府県ごとの最低賃金審議会で議論され、各地域の引上げ額が決められます。今秋には新しい最低賃金が適用される見込みです。


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「短時間正社員」定着促進のための助成金拡充へ




◆就業意識・価値観の変化

厚生労働省は、子育てや介護などで就業時間に制約があっても正社員として働くことができる「短時間正社員」を定着させるため、助成金制度を今夏にも拡充する構えです。
様々な雇用形態が入り混じる現代で、就業意識や価値観の変化により、個人の希望に応じた働き方を選択したいという労働者が増加しています。


◆「短時間正社員」の働き方

短時間正社員は、「正社員」としての身分は変わりません。1日の労働時間や1週間の労働日数をフルタイム正社員より短くするものの、仕事はフルタイム正社員と同じで、給与や賞与は働いた時間に比例して支払われ、昇進は通常の正社員と同等に扱うなど、これらの点で非正社員とは区別されるものです。
現代では、個人の希望に応じた働き方を選択したいという労働者が増加しており、中でも育児や介護の課題を解決し、就業を継続しながら仕事と家庭の両立を目指す手段としては有効な働き方と言えるでしょう。


◆ワークシェアとの違い

時短で働く方法としては「ワークシェアリング」の名称が知られていますが、これは、仕事の総量を労働者で分かち合うというもので、1人当たりの労働時間を減らすことによって企業全体での雇用を維持したり、様々な業務ごとの短時間労働を組み合わせることによって雇用機会を増やしたりすることにつながるというものです。
これに対して、短時間正社員制度は、労働者の地位を正社員と同じにするというもので、特に現在就労中の人にとっては、現状の業務を続けやすいと言えるでしょう。


◆国や企業に期待されること

現在、企業が短時間正社員を導入する際、「短時間労働者均衡待遇推進助成金」(パートタイマー均衡待遇推進助成金)として最大40万円を支給される制度があります。この制度は、従来、短時間正社員を導入する際に、1人でも複数人でも助成金額は同じでしたが、厚生労働省は、今夏にも、人数に応じて金額を増やす仕組みを検討しています。追加人数の上限は10人を想定しているようです。
豊富な業務経験を持っていても就労条件が合わないために働き続けることができなければ、労働者のみならず企業にとっても大きな損失になりかねません。労働力を有効に活用するために、国や企業には柔軟な対応が望まれるのではないでしょうか。

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労働基準監督署への申立て件数が増加




◆雇用情勢悪化の中…

景気後退で雇用情勢が悪化し、労働基準監督署に不服を申し立てる労働者が急増しているようです。不当な解雇や賃金不払いなどを不満とするケースが多くみられ、2008年の申立て件数は39,384件となり、1955年以来、53年ぶりの高水準となりました。
 

◆申立て内容の検討

全国約320の労働基準監督署では、雇用問題に関する労働者からの相談や申告を受けつけています。これをもとに調査を実施し、労働基準法などの法律違反が判明すれば、企業に是正勧告がなされます。勧告に従わない企業は送検されることもあります。
2008年の申立て件数は前年比11%増え、厳しい不況に見舞われた直後の1955年(55,999件)以来の高水準となりました。2009年に入っても1月は3,647件、2月は3,811件と高水準で推移しています。
2008年の内訳をみると、最も多いのは賃金不払い(28,955件)で、経営不振の企業から賃金をもらえなくても数カ月間辛抱して働き、我慢できなくなって最後に申し立てる労働者が目立っています。一方、職場に突然来なくなるなど、賃金不払いの責任が労働者にあるケースもみられます。
解雇は7,360件で、解雇に至るまでの手続きが十分でない企業が多くみられます。企業が労働者を解雇する場合、30日以上前に予告する必要がありますが、予告しないときには30日分以上の賃金(解雇予告手当)を支払わなければいけません。こうした手続きを知らない企業の増加が不服を申し立てる件数を押し上げているとみられています。


◆労使トラブルに発展する前に

現在、やむなく労働条件の引下げや希望退職者の募集、解雇など雇用調整を行わざるを得ないとする企業が多くみられます。労働条件引下げや解雇などを行うことがやむを得ない場合であっても、実施に当たっては、法律で定められている手続き、労使間で定めた必要な手続き等を遵守するとともに、事前に労使間での話合いや労働者への説明を行うことが必要です。これらを怠ると労使のトラブルに発展します。
厚生労働省では、労働条件引下げや解雇をやむを得ず検討しなければならない場合であっても守らなければならない法令の概要や、労務管理上参考となる裁判例の主なものを取りまとめた「厳しい経済情勢下での 労務管理のポイント」(http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/081218-1.pdf)というリーフレットを作成しました。 このリーフレットで労務管理のポイントを自社と照らし合わせ、適正な手続きのもと労使トラブルに発展することを回避したいものです。


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インフルエンザ対策のための自宅待機は無給でよい?



http://roumukanri.sblo.jp/article/28742836.html
http://roumukanri.sblo.jp/article/26205607.html
上記2つの記事に新型インフルエンザに関連する情報を書いています。

 新型インフルエンザの流行に備え、A社では社内対応策を検討しています。海外の新型インフルエンザ発生地域から帰国した社員に対して、安全が確認されるまで自宅待機をさせたいと考えていますが、この期間は無給にすることはできるのでしょうか。


◆国の行動計画では


 大流行が懸念されている新型のインフルエンザについて、国の行動計画が策定されています。行動計画では、世界的流行が起こる前からピークを迎えるまでの流行の状況を6つのフェーズに分類し、各フェーズごとに国内で発生していない場合(A)と発生している場合(B)に分けて国が行う措置が定められています。
 

◆フェーズ4B以上で可能

 フェーズ4(ヒトからヒトへの感染が確認されているが、感染集団は小さく限られている段階)でB(国内で発生)となった場合、国は新型インフルエンザ患者やその疑いのある者に対して入院勧告や発生地域の企業に対して新型インフルエンザの症状が認められる社員に出勤停止や受診勧告を行います。
 国の勧告に従い、感染者やその疑いのある社員を自宅待機させる場合は、休業手当の支払いは不要となり無給とすることができます。


◆フェーズ4Aでも

 また、フェーズ4以上でA(国内で発生していない)となった場合は、国内流入を防ぐため、発生地域からの入国者に対し質問票や診察で患者を振り分けることがあります。そこで新型インフルエンザの患者の疑いがあれば検疫法に基づき停留、患者と確定されれば入院勧告が行われます。
 この措置によって海外から帰国した社員が停留または入院となり、出社できない期間は休業手当の支払いは不要となります。


◆それ以外は休業手当が必要

 これらのケース以外で、会社が独自の判断で国の措置を超えて、社員に自宅待機を命じる場合には休業手当を支払わなければならないでしょう。




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労働時間減少によりついに年間1,800時間以下に




◆製造業の稼働率・残業時間が大幅減少

経済産業省は、昨年11月の製造工場の稼働率が88.5%(2005年を100%とした場合)となったと発表しました。前月よりも9.4ポイント低下しており、比較可能な1968年以降のデータでは最大のマイナス幅となっています。
また、厚生労働省が発表した「毎月勤労統計」によれば、昨年12月における製造業の労働者1人当たりの残業時間(所定外労働時間)が12時間となり、全年同月と比較すると30.6%も減少したそうです。不況に伴う減産が大きく影響しており、減少幅は1990年の調査開始以来最大となっています。
厚生労働省では、「1970年代の第一次オイルショックを超える急速な落ち込みである」と分析しています。


◆年間の労働時間は初めて1,800時間を下回る

 また、2008年における常用労働者1人当たりの年間総実労働時間(所定内労働時間に時間外労働時間と休日労働時間を加えたもの)は1,792時間となり、前年比16時間減少しました。年間総実労働時間が1,800時間を下回ったのは、1990年の統計開始以来初めてのことだそうです。
各企業とも労働時間短縮による人件費の削減を図っているようで、残業代は月平均1万9,448円となり、こちらも前年比1.5%減となっています。


◆かつての政府目標「1,800時間」

政府は、かつて、年間総実労働時間を1,800時間に短縮することを目標にしていました。また、連合でも「年間総実労働時間1800時間の実現に向けた時短方針」などを掲げていました。
ここ数年は長時間労働による健康被害が問題となり、また、「ワーク・ライフ・バランス」が提唱され、長時間労働に焦点が当てられていました。健康管理面からの長時間労働抑止、仕事と家庭の両立支援のための労働時間短縮とは違った形で、いわば未曾有の大不況の影響という形で、労働時間の短縮が実現されてしまった格好です。




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タグ:残業

ついに「改正労働基準法」が可決・成立!




◆審議入りから1年8カ月の難産

平成19年3月の閣議決定を経て長らく国会審議入りしていた「改正労働基準法案」が、1年8カ月を経て、ようやく成立しました。
本法の施行は平成22年4月とまだ先ですが、「月の時間外労働が一定時間を超えた場合の賃金割増率のアップ」と「労使協定締結による5日以内の時間単位での年次有給休暇制度の創設」が大きな柱である本改正は、今後の労務管理実務に大きな影響を与えるものです。
ここでは、それらの内容を確認しておきます。

◆改正労働基準法の内容(1)

本改正の1つ目の柱は、「月の時間外労働が一定時間を超えた場合の賃金割増率のアップ」です。月の時間外労働時間が45時間を超え60時間までの場合の割増賃金率については、2割5分以上の率で、労使協定で定める率とし(努力義務)、60時間を超えた場合の割増賃金については5割増とする、という内容です。
上記の「60時間」の部分については、当初の案では「80時間」とされていましたが、野党などの強い反対により、審議のうえ修正されました。

◆改正労働基準法の内容(2)

本改正のもう1つの柱は、「労使協定締結による5日以内の時間単位での年次有給休暇制度の創設」です。労働者の過半数で組織する労働組合(労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者)との労使協定で「時間単位で有給休暇を与える労働者の範囲」、「時間を単位として与えることができる有給休暇の日数(5日以内)」などを定めることにより、従来よりも細かい単位で有給休暇を取得できるとする内容です。
時間単位で細かく取得できるようにすることにより、近年落ち込んでいる有給休暇取得率アップにつなげることが、本改正の目的です。

◆施行日と中小企業への猶予

改正法の施行日は「平成22年4月1日」と定められており、企業においては就業規則の整備や労使協定の締結などの対応が必要となりますが、割増率のアップの規定については、「中小事業主の事業については、当分の間、適用しない」とされています。
なお、ここでいう「中小事業主」とは、「その資本金の額又は出資の総額が3億円(小売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については5,000万円、卸売業を主たる事業とする事業主については1億円)以下である事業主及びその常時使用する労働者の数が300人(小売業を主たる事業とする事業主については50人、卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については100人)以下である事業主を」をいいます。


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厚生労働省「サービス残業解消指針」の内容




◆なくならないサービス残業

サービス残業があったとして2006年度に労働基準監督署から是正指導を受け、支払額が合計100万円以上となった企業は1,679社に上り、対象労働者数は182,561人となっています。支払われた残業代は総額で227億円1,485万円(企業平均1,353万円、労働者平均12万円)です。

◆指針パンフレットをホームページに掲載

サービス残業を放置することは、内部告発等をきかっけに労働基準監督署の是正指導等を受け、不払賃金を支払わなければならないリスクを抱えていることになります。
厚生労働省は、「賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針」(2003年5月策定)について、よりわかりやすく解説したパンフレットのホームページへの掲載を10月から開始しました。同指針は、賃金不払い残業(サービス残業)は重大な労働基準法違反であるとの考えのもと、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置等に加え、各企業における労使が労働時間の管理の適正化と賃金不払残業の解消のために講ずべき事項を示」すことを目的としています。ここでは、同指針に記載されている内容を改めて見てみましょう。

◆指針が示すサービス残業解消のために取り組むべき事項

(1)「労働時間適正把握基準」の順守
使用者は、「労働時間適正把握基準」を遵守することが必要です。また、労働組合(労働者)も、労働者に対して同基準を周知することが重要であるとしています。

(2)意識・職場風土の改革
サービス残業の背景に、「サービス残業もやむを得ない」という労使双方の意識(職場風土)がある場合には、これをなくすための取組みを行うことが望まれるとしています。

(3)適正に労働時間の管理を行うためのシステムの整備
サービス残業の実態を把握したうえで、関係者が行うべき事項や手順等を具体的に示したマニュアルの作成等により、「労働時間適正把握基準」に従って労働時間を適正に把握するシステムの確立が重要だとしています。また、サービス残業の温床となっている業務体制や業務指示のあり方にまで踏み込んだ見直しも必要であり、「サービス残業是正」という観点を考慮した人事考課の実施等により、適正な労働時間管理を意識した人事労務管理が望まれています。

(4)労働時間を適正に把握するための責任体制の明確化とチェック体制の整備
事業場ごとに、労働時間管理についての責任者を明確にしておくことが必要であるとされています。また、労働時間管理とは別に、相談窓口を設置するなどしてサービス残業の実態を積極的に把握する体制の確立が重要であり、実態を把握した場合には、労働組合(労働者)としての必要な対応を行うことが望まれるとしています。



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「名ばかり管理職」排除通達について




◆管理監督者の範囲の明確化

厚生労働省は、「名ばかり管理職」問題を解決するため、労働基準法上の管理監督者に該当するかどうかの判断基準を示した「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について」(平成20年9月9日付け基発第0909001号)と題する通達を、9月9日に出しました。この通達が出された背景には、店長に対する残業代支払いを大手外食チェーン等に命じる判決が相次ぐ中、裁判例を参考に法律の運用を見直す必要に迫られたことがあります。

◆9月9日付け通達の内容は?

上記の通達では、多店舗展開する小売業や飲食業を対象に、管理監督者性を否定する重要な要素を挙げています。
具体的には、
(1)アルバイト・パート等の採用に責任がないこと、
(2)部下の人事考課が職務内容に含まれないこと、
(3)遅刻や早退の際には減給等の不利益な取扱いをされること、(4)賃金額が当該企業の他の一般労働者の賃金総額と同程度以下であること、といった項目が列挙されています。

◆通達のより正確な理解のために

しかし、上記通達については、連合と日本労働弁護団が「管理監督者の基準の緩和につながりかねない」として同省に見直しを要請していた。そこで、業界団体等が誤った解釈をしないよう、厚生労働省は10月3日に新たに「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化を図るための周知等に当たって留意すべき事項について」(平成20年10月3日付け基監発第1003001号)を出しました。
この通達では、9月9日付けの通達の趣旨・内容が正確に理解されるように懇切丁寧な説明を行うよう求めており、次のポイントを指摘しています。
(1)店舗の店長等について、管理監督者の範囲の適正化を図る目的で発出されたものであること
(2)昭和22年9月13日付け通達で示された管理監督者の基本的な判断基準を変更したり緩めたりしたものではないこと
(3)判断要素は否定的な要素を整理したものであり、これらにひとつでも該当する場合には、管理監督者に該当しない可能性が大きいと考えられること
(4)通達に該当しない場合は、実態を踏まえ、慎重に判断すべきものであること
また、同省ホームページ上では9月9日付け通達に関するQ&Aも公開されました。通達の説明や周知徹底のために再度念が押されるということは、「名ばかり管理職」問題に対して国が本気で対応し始めたことの表れと言えるでしょう。企業では、この問題に対して速やかな対応策を取ることが求められます。


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未払い残業代の支払い等を求める労働審判や民事訴訟




◆サービス残業への是正指導が過去最多に

従業員に残業代を支払わなかったとして労働基準監督署から是正指導を受け、結果的に1社で100万円以上の未払い残業代を支払った企業の数が2007年度に1,728社(前年度比約3%増)となり、厚生労働省が集計を開始した2001年度以来、最多を更新したことが明らかになりました。また、支払総額も計272億4,261万円(同約20%増)となっており、同じく過去最高を更新しています。
同省では、「労働者やその家族の方などから、各労働局、労働基準監督署に対して長時間労働、賃金不払残業に関する相談が多数寄せられており、これらに対して重点的に監督指導を実施した結果である」と分析しています。
このようにサービス残業は依然として増加傾向にあるようで、最近では「名ばかり管理職」「偽装請負」に関する問題などもあり、労働者や退職者が未払い残業代の支払いや地位の確認などを求めて労働審判や民事訴訟などを提起するケースも増えています。
以下では最近の事例を見てみましょう。

◆グッドウィルの元支店長らが労働審判申立て

今年の7月末に廃業した日雇い派遣大手「グッドウィル」の元支店長ら19人(25歳〜49歳のいずれも男性)は、自分たちは「名ばかり管理職」として扱われていたなどとして、同社を相手に未払い残業代(合計約6,721万円)の支払いを求める労働審判を、東京地裁に申し立てたそうです。請求している未払い残業代は1人あたり約120万円〜635万円です。
また、4人については、廃業に伴って解雇が行われた際に十分な退職金の積み増しや再就職先のあっせんが行われなかったとして、解雇の違法性についても争うとのことです。

◆元自転車便スタッフが正社員地位確認の民事訴訟提起

バイク便大手である「ソクハイ」の元自転車便スタッフの男性(31歳)は、個人事業主として運送請負契約を締結して業務を行っていたが、会社の指示に従って運送を行うなど自由裁量はほとんどなく、実態は正社員と変わらなかったとして、同社を相手に「正社員としての地位確認」と「約360万円の損害賠償」を求める訴訟を東京地裁に提起しました。
男性は営業所長として採用面接やスタッフの教育なども行っていたようであり、「同社に指示監督されており。偽装請負状態だった」と主張しているそうです。




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業績悪化に伴う内定取消はどのような場合に認められる?




◆業績悪化に伴う内定取消が増加

米国のサブプライムローン問題に端を発した世界的な金融危機に伴う急激な株価下落や景気悪化の影響による企業の業績悪化・業務縮小・事業撤退などを理由として、来春就職予定の学生の内定が取り消されるケースが相次いでいるそうです。業種は、不動産、住宅販売、建設、生命保険、ホテル、情報通信、システム開発、専門商社など多岐にわたっています。
大学側では「企業の業績悪化が深刻化してくるとさらに内定取消が増加するのでは」「実際にはもっと多くの学生の内定が取り消されているかもしれない」「この時期にこんなに内定取消が相次ぐことはここ数年間なかった」などといった不安の声もあがっているようで、また、2010年春に卒業・就職予定の現在の大学3年生の就職活動にも影響が出てきそうです。
企業・大学・学生いずれにとっても非常に深刻な問題である内定取消は、どのような場合に認められるのでしょうか。

◆裁判所の考え方は?

内定取消は、一般的に「客観的にみて内定を取り消してもやむを得ない事情がある場合」にのみ許され、単なる業績悪化だけを理由として簡単に認められるものではないとされています。
裁判例(大日本印刷事件:最判昭和54年7月20日)では、会社が応募者に「採用内定通知」を発して、応募者がこれに応じる旨の「誓約書」を提出した場合には、入社日を「採用内定通知」に記載された時期とし、「誓約書」に記載された採用内定取消事由が発生したときは当該契約を解約できるとの解約権が留保された労働契約が成立していると考えられる、としています。
さらにこの留保解約権については、内定の当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって、これを理由として採用内定を取り消すことが客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができるものに限られる、としています。

◆「整理解雇の4要件」との関係

また、経営悪化を理由とする採用内定取消の場合について、いわゆる「整理解雇の4要件」の考え方に沿った判断を下した事例がありあます(インフォミックス事件:東京地決平9年10月31日)。
この事案では、
(1)人員削減の必要性、
(2)採用内定取消の回避の努力、
(3)人選の合理性は認められるが、
(4)手続きの面において十分な説明が欠けていたとして、採用内定の取消が無効と判断されています。したがって、採用内定を取り消すべきかどうかは、上記の4要件の考え方に沿って慎重に考えなければなりません。




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「最低賃金」時給700円台に突入へ



◆2008年度の引上げ額の目安は?

原則としてすべての労働者に適用される「最低賃金」。その額は都道府県ごとに決められており、現在の全国平均額は687円です。
2008年度の引上げ額の目安を議論していた中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)は、全国平均で時給を15円程度引き上げることを決定しました。この結果、全国平均の最低賃金額は、初めて700円を超えることになる見通しです。


◆都道府県別最低賃金額の引上げと生活保護政策

今回の最低賃金額の引上げに関する議論では、7月に施行された改正最低賃金法の趣旨を、引上げ額にどう反映するかが焦点となりました。同改正法では、生活保護並みの時給を求めています。地域によっては最低賃金が生活保護費を下回り、「働く意欲をそぎかねない」との批判が強かったため、現時点で生じている生活保護との大幅な差を解消することになりました。
地域ごとの引上げ額は、中央最低賃金審議会が定めた目安を受けて、都道府県ごとに正式な金額が決定され、10月中に適用される予定です。これに加えて、最低賃金額が生活保護を下回っている12の都道府県については、生活保護との差を「原則2年(引上げ額が例を見ないほど大幅な場合は3年)」で解消することを求められました。
例えば、生活保護との差が時給80円あるとされる東京都の場合、3年で差を埋めるとすると1年当たり25円超の引上げが必要となるなど、逆転解消のためには前年度以上の大幅な引上げが必要となります。


◆引上げ反対の声も

最低賃金額の大幅な引上げは、低所得者の生活の下支えとなります。しかし、原油や食料の価格高騰の影響などで物価も上昇しているため、消費拡大効果は限定的とみられています。
人件費の増加は中小企業の存続に関わるとして、最低賃金額の大幅引上げに反対する声もあります。最悪の場合は中小企業の倒産を誘発し、かえって中小企業の雇用に悪影響を与えることも懸念されています。生産性向上や価格転嫁が進まなければ、中小・零細企業の雇用には悪影響を与えます。
生活保護との差を解消するため、来年度以降も最低賃金額は2ケタの引上げとなる予定ですが、今後の経済・雇用情勢によっては、方向性が変わる可能性もあるかもしれません。



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「冠休暇」の活用で有給休暇取得を促進




◆有給休暇の取得促進を目指して

 「プロジェクト休暇」や「アニバーサリー休暇」など、特別な冠をつけた有給休暇制度を設ける企業が目立ちはじめました。
ワークライフバランス(仕事と生活の調和)向上の機運が高まる一方で、高まらない有給休暇の取得率向上のために、各企業で新たな促進策が打ち出されています。


◆国を挙げての取組み

 有給休暇の取得率向上は、国も大きな課題として取組みを始めています。
内閣府が2007年にまとめたワークライフバランスに関する「行動指針」では、有給休暇取得率を、2012年には60%、2017年には100%にまで引き上げることを目標にしています。 

 しかし、国を挙げてワークライフバランス向上への取組みを進めているにもかかわらず、有給休暇取得率は低迷したままです。
 厚生労働省の調査によると、2006年に企業が社員に与えた有給休暇は年平均17.7日。一方、社員の取得日数は8.3日と、有給休暇取得率は40%台にとどまります。
 就業形態の変化によって正社員が減り、1人当たりの仕事が増えたことで、結果的に多くの職場で長時間労働を余儀なくされ、有給休暇が取りにくくなっているとも考えられます。
また、同僚との競争や上司の評価を気にして積極的に休まない人も多いようです。


◆「冠休暇」の効果は?

 過労死の増加などで社員の健康管理がより問われるようになった今、企業も社員に休みを取らせるために、様々な知恵を絞っています。

 ある企業では、「プロジェクト休暇」を導入しました。
これは、1つのプロジェクトが終わるたび、最低1日の有給休暇が取れる仕組みです。
 1つのプロジェクトに対して複数の人間で対応するため、個人の都合で休むのは難しいことから、プロジェクト終了ごとに同僚と調整しながら休むとしています。

 また「アニバーサリー休暇」として、自分や家族の記念日に休むことを促進する企業もあります。
導入したある企業では、有給休暇取得のための意識が高まることで、仕事を1人で抱え込まずに周囲と情報交換したり、効率的に仕事をする同僚のやり方を参考にしたりと、別の部分でも波及効果が出ているようです。

 もっとも、新たな休暇制度を設けていても、休みやすいように人員や仕事を適正化することが重要であり、それなくしては休みたくても休めない現実に変わりはありません。
 国、企業、そして労働者が一体となった取組みを続けていくことが大切でしょう。


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継続審議となっている労働関係の法案




◆2つの重要法案が継続審議に

通常国会が6月21日に閉会となりましたが、そこで提出されていた「改正労働基準法案」、「改正障害者雇用促進法案」は成立せずに、継続審議となっています。
この2つの重要法案は、秋の臨時国会に提出され審議されると思われますので、改めてその内容を確認しておきたいと思います。


◆改正労働基準法案の内容(1)

この改正案における大きな柱は、何といっても「月の時間外労働が一定の時間を超えた場合の割増率のアップ」です。
月の時間外労働時間が45時間を超え80時間までの場合の割増賃金率については2割5分以上の率で労使協定で定める率とし(努力義務)、80時間を超えた場合の割増賃金については5割増とする、というのがその内容です。
なお、上記の「80時間」の部分については、「60時間」に修正されるような動きもありますので、注目しておくべきでしょう。


◆改正労働基準法案の内容(2)

改正労働基準法案のもう1つの柱は、「年次有給休暇の時間単位での取得」です。
現在、有給休暇については、最低取得単位が原則として「1日」とされていますが、時間単位で細かく取得できるようにして、近年落ち込んでいる有給休暇の取得率アップにつなげるのがねらいです。また、細かい単位で取得できることが子育て支援につながるという考えもあります。
なお、この改正内容については、労働者の過半数で組織する労働組合(ないときは労働者の過半数を代表する者)との書面による協定により、時間単位で有給休暇を与える労働者の範囲、時間を単位として与えることができる有給休暇の日数(5日以内)などを定めることとされています。


◆改正障害者雇用促進法案の内容

現在は障害者の雇用者数が法定雇用率(1.8%)に満たない従業員「301人以上」の企業に課されている納付金の支払義務について、順次「201人以上」、「101人以上」の企業へ拡大するということがこの改正案の大きな内容です。
また、障害者雇用義務の対象労働者に、「短時間労働者」(週の労働時間が20時間以上30時間未満)も追加されることも盛り込まれています。
なお、この改正案は2009年4月1日施行予定ですが、納付金支払義務が課される企業の拡大については、「201人以上」へは2010年7月、「101人以上」へは2015年7月とされています。


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今国会に提出されている主な労働関係改正法案



◆通常国会の会期は6月15日まで

ここでは、現在開会中の通常国会に提出されている、企業に影響を与えると思われる労働関係の改正法案についてみていきます。


◆中小企業にも障害者雇用納付金を義務化

障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)の一部を改正する法律案が提出されています。

主な内容は、現在は障害者の雇用者数が法定雇用率(1.8%)に満たない従業員「301人以上」企業に課されている納付金の支払義務を、順次「201人以上」、「101人以上」の企業へも拡大するという内容です。
また、障害者雇用義務の対象となる労働者に、週の労働時間が20時間以上30時間未満の「短時間労働者」も追加されることとされています。

この法案が可決されれば、2009年4月1日の施行予定です。
ただし、納付金支払義務が課される企業の拡大については、「201人以上」へは2010年7月、「101人以上」へは2015年7月とされています。


◆「行動計画」提出義務付け企業を拡大へ

「ワークライフバランス」の実現に向けて、次世代育成支援対策推進法(次世代法)の改正案も今国会に提出されています。

従業員の子育てを支援する「仕事と育児の両立支援に関する行動計画」(一般事業主行動計画)の策定・届出を義務付ける対象企業を、現行の従業員「301人以上」の企業から「101人以上」の企業に拡大するのが主な内容です。
この改正により、約4万2,000社が新たに策定・届出義務を負うことになると推計されています。
また、「行動計画」の公表・従業員への周知も義務付けられるようになります(策定・届出義務のある事業主のみ)。

この改正法案自体の施行予定日は2009年4月1日となっていますが、「行動計画」の策定・届出義務付け企業の拡大は、2011年4月1日の予定です。


◆労働基準法の改正案

月の時間外労働が一定の時間を超えた場合に、高い割増賃金率を適用することなどを内容とする労働基準法の一部改正案も国会で審議中です。主な内容は以下の通りです。

・月の時間外労働時間が45時間を超え80時間までの場合の割増賃金率については、2割5分以上の率で労使協定で定める率とする(努力義務)。

・月の時間外労働時間が80時間を超えた場合の割増賃金については、5割増とする。



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“名ばかり管理職”問題−マクドナルド判決のその後




マクドナルド判決後の同社関連の動き

 日本マクドナルドが直営店の店長を管理職とみなして残業代を支払っていないのは違法だとして、埼玉県内の男性店長(46歳)が未払い残業代など約1,350万円の支払いを求めていた訴訟において、1月下旬に東京地裁は「店長の職務内容から管理職とはいえない」として同社に約755万円の支払いを命じる判決を下し、新聞やテレビなどで大きく報道されました。
 その後、マクドナルドの元店長3人が残業代の支払いを求めて東京地裁へ提訴することも明らかとなっており、さらには別の元店長数人も訴訟提起を検討しているとのことで、今後同様の動きが広がっていけば、約1,700人の店長を抱えている同社の経営に大きく影響を与えかねないと思われます。


◆他の業界でも制度見直しの動きが

 他の業界でも、上記判決の影響を受けてか、様々な動きがみられました。
 2月上旬に、コンビニエンスストア最大手のセブンイレブン・ジャパンは、管理職と位置付けている直営店の店長に対して3月から残業代を支払う方針を示しました。
 大手小売業や外食業で制度を見直したのは、マクドナルドに残業代の支払いを命じた東京地裁の判決後、初めてのことだそうです。
 また、2月下旬には、東日本でレストランチェーン店を運営するカルラも、店長の職務内容を洗い直して管理職から外し、手当等を変更して残業代を支払うことを決定しました。
これもマクドナルド判決を受けたものとみられており、同社以外にも追随する外食企業が出てくる可能性があるかもしれません。


◆まだまだ出てくる!?「名ばかり管理職」「偽装管理職」

 労働者や労働組合の権利擁護活動を行っている日本労働弁護団(http://homepage1.nifty.com/rouben/)では、2月中旬に「名ばかり管理職」(十分な裁量や手当がない肩書きだけの管理職)に関する電話相談を初めて実施したところ、1日だけで130件以上の相談が寄せられたそうです。
「管理職なのに部下がまったくいない」「高卒1年目ですぐに管理職にさせられた」「遅刻をすると減給されてしまう」「管理職候補だという理由だけで残業代が支払われない」などといった事例があったようです。
 「名ばかり管理職」「偽装管理職」の問題はたいへん根が深く、まだまだ終わらないようです。



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管理監督者の定義とは




 大手ファーストフードチェーンの店長が未払い残業代の支払いを求めた訴訟の判決で、東京地裁は原告の訴えを認め、会社側に755万円の未払い残業代の支払いを命じました。
チェーン店の店長を管理職として扱うべきか、それとも非管理職として扱うべきか、判決は、同種の企業各社に影響を与えそうです。

 今回の訴訟は、世間的に関心も高く注目されていました。今、管理監督者の定義が再び問われ始めているといえます。


◆管理監督者の残業代訴訟

過去にも、このような訴訟は数多くありました。
代表的なものとしては、「レストラン・ビュッフェ事件」(昭和60年・大阪地裁判決)や「三栄珈琲事件」(平成元年・東京地裁判決)等が挙げられます。
いずれの事件も、店長が管理監督者に該当するかどうかが争われましたが、店長がタイムカードなどで出退勤を管理されていたこと、経営方針など重要事項の決定に参画の余地がなかったことなどから、「管理監督者には該当しない」という判決が出ています。

新しいところでは、大手紳士服店店長の残業代請求訴訟で、会社側が600万円の解決金を支払ったケースもあります。

今回の訴訟では、「店長が管理職として経営者と一体的な立場にあり、出退勤の自由や賃金などで一般労働者に比べて優遇されているか否か」が争点になりました。
判決は、
(1)店長の権限が店舗内に限られる、
(2)営業の必要上相当の長時間労働が必要となり勤務時間の自己決定権はない、
(3)年収が管理職の待遇としては不十分、

との理由から、「店長は権限や処遇からみても管理職とはいえない」としました。


◆管理監督者の明確な定義

厚生労働省の通達によると、管理監督者に当たるかは、
(1)労務管理などで経営側と一体の立場にあるか、
(2)賃金や勤務形態が優遇されているか等の、職務・職責・待遇を基準として判断されます。

明確な線引きがしにくく、総合的な判断が必要になります。

名目的に就業規則や社内規程に定めるだけではなく、現実的に管理監督者といえるかどうか、大局的な立場に立った判断が必要とされているといえます。



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「失恋休暇」「バーゲン半休」…ユニークな福利厚生制度




 少し難しい、お堅いことばかりが書いてあるというイメージを持ちがちな、「就業規則」。
ここに会社のオリジナリティーを盛り込んでみると、従業員の働く意欲のアップに貢献できるかもしれません。
 ユニークな休暇制度を採用しているのは、女性を対象にしたマーケティング会社「ヒメ&カンパニー」です。
この会社の休暇制度は各種新聞・雑誌等でも多く取り上げられ、注目されていますから、ご存じの方も多いかもしれません。


◆失恋から気持ちを切り替えて仕事を 「失恋休暇制度」

ヒメ&カンパニーの就業規則第39条では、失恋のために業務に従事困難な未婚の社員が申し出たときは、年に1回、休暇を与えることが定められています。
この規則は、仕事が手につかなくて失敗するよりはましだ、との発想から、3年前に生まれました。
年齢が上になればなるほど失恋時のダメージが大きくなるのが女性心というもの……失恋すると、25歳未満の女性は1日、30歳以上の女性であれば3日の有休を取得することができます。


◆良い物ゲットでモチベーションアップ 「バーゲン半休制度」

また、同社の就業規則第38条では、「バーゲン半休」なるものも定められています。
その名の通り、バーゲンに行くという理由で半休が取得できるという制度で、良い物を手に入れてもらい、仕事へのモチベーションにつなげてもらおうという趣旨で設けられた規定です。

初日の早い時間に出かけて行って良い物を手に入れ、それを自慢するのがバーゲンの醍醐味です。
会社を休んでバーゲンに行くのは気が引けるという人もいると思いますが、大手を振って会社を休むことができるこの制度は従業員にも好評で、取得率は非常に高いそうです。


◆福利厚生を企業のイメージアップに生かす

これらの制度は、同社の平舘美木社長の「女性が喜ぶものを追求する会社としては、ごく自然な」発想から生まれました。
今では、「柔軟な発想をする会社」との評判につながり、より優秀な女性が従業員として集まるようになっています。

結果として、これらの条文は、「女性をターゲットとする」という社のスタンスを示す格好のメッセージとなったのです。

 このようなユニークな福利厚生制度が、必ずしもいい結果を生み出すとは限りませんが、従業員のモチベーションアップ、企業イメージの向上に何らかの好影響が出るのであれば、参考にしてみる価値はありそうです。


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「短時間勤務正社員制度」のメリット・活用例



◆「短時間勤務正社員」とは?

「短時間勤務正社員」とは、フルタイムで働く正社員より1週間の所定労働時間が短い正社員のことをいいます。フルタイム正社員が短時間・短日勤務を一定期間行う場合や、正社員の所定労時間を恒常的に短くする場合があります。
フルタイム正社員より所定労働時間が短いことから、労働者が育児・介護、自己啓発などの必要性に応じて、正社員のまま仕事を継続できる、または正社員としての雇用機会を得ることができるため、「多様就業型ワークシェアリング」の代表的な制度として、短時間勤務正社員制度の普及や定着が期待されています。


◆制度導入のメリット

短時間勤務正社員制度は、就業意識の多様化が見られる中、フルタイム勤務一辺倒の働き方ではなく、自らのライフスタイルやライフステージに応じた多様な働き方を実現させるとともに、育児・介護をはじめ様々な制約によって就業の継続ができなかった人や就業の機会を得られなかった人たちの継続的な就業を可能とし、就業の機会を与えることができる働き方です。
労働力人口が減少する中、社員が定着しない、人材不足などで困っているという企業にとって、この制度は、優秀な人材の確保や人材の有効活用を図る上で大きな効果が期待できます。


◆採用企業の事例

ある情報産業大手企業では、育児・介護に限らず、理由を限定しない短時間勤務正社員制度を導入し、自己啓発を理由とした利用も可能としています。同社では社員にとって仕事と生活のバランスをとることができ、会社にとっても優秀な人材を継続的に確保することができ、両者にメリットがあると評価しています。
また、あるデータ入力・加工会社ではワークシェアリングを利用した定時操業により所定外労働を一切廃止し、この結果、従業員の疲労が軽減され、入力ミスが減少するなど生産性が向上しているそうです。



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社員が自宅に仕事を持ち帰った場合の残業代は?



◆仕事が終わらない!

会社は残業時間の減少を目標に掲げ、職場では午後10時に強制消灯しています。しかし、仕事量が多く消灯までにはとてもこなしきれず、毎日のように自宅に仕事を持ち帰る社員がいます。このような場合、自宅での仕事に残業代の支払いは必要なのでしょうか?


◆上司の命令であれば支払いが必要

労働基準法は、従業員を週に40時間を超えて働かせる場合は、割増賃金を支払わなければならないと定めています。割増賃金は、使用者(上司など)の指揮命令下で行った残業時間を基に計算されるのが一般的です。
職場以外の仕事であっても、「消灯までに終わらない仕事は自宅に持ち帰れ」と上司が命じていたり、上司の許可を得ていたりする場合には、残業代の支払いが必要です。逆に、会社が職場以外での仕事を禁じているのに従業員が勝手に自宅で仕事をした場合、残業代を支払う必要はありません。
残業禁止命令を会社から出された従業員が、時間外労働の割増賃金を支払うよう求めた訴訟においても、東京高裁は2005年、「命令に反して仕事をしても労働時間には含まれない」との判断を示しました。このケースでは、従業員は時間内に仕事がこなせない場合は役職者に引き継ぐように命じられており、「残業なしで仕事を終えるのは不可能」と訴えた従業員側の主張は通りませんでした。


◆暗黙に残業を命じている場合は?

会社側が明確に自宅での残業を命じていなくても、残業代の支払いが必要となるケースはあります。例えば、「明日締め切り」という仕事を夕方になって従業員に大量に割り振るような場合です。
上司が暗黙に残業を命じたとみなされれば、自宅での仕事も残業代の対象となる可能性があります。この場合、普通の人が普通のペースで時間内にこなせるかどうかが1つの判断基準となります。


◆適切な労働時間管理を

ワーク・ライフ・バランス」(仕事と生活の調和)が提唱され、残業削減に取り組む企業は増えています。しかし、就業時間を厳格に縛る一方で仕事量が減らないなら、残業代の扱いをめぐる争いがかえって増えかねません。企業には適切な業務量管理が求められています。


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「裁判員制度」スタートで企業の対応は?




◆大手企業では「裁判員休暇制度」導入を検討も

 2009年(予定)に「裁判員制度」(「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」に基づき一般国民が刑事裁判に参加する制度)がスタートするのを控え、社員が裁判員に選ばれて裁判手続に参加する場合に有給休暇として扱う「裁判員休暇制度」の導入を検討している大手企業が増えているようです。


◆有給か無給かは企業の考え方次第

 裁判所では、審理にかかる日数については「概ね1週間程度」との見通しを示していますが、それ以上に長引くケースが出てくることも考えられます。原則として、選ばれた国民は辞退はできません。やむを得ない理由がある場合は辞退を認められますが、その基準についてはまだ不透明な部分があります。
 労働者が裁判員となるために休みを取ることは、公民権の行使として法律上認められ、仕事を休んだことを理由に会社が不利益な扱いをすることは禁じられています。ただし、有給とするか無給とするか、就業規則での規定化などは企業に任されているため、どのような支援体制を設けるかは企業の考え方次第といえます。


◆有給休暇制度創設は企業の社会的責任?

 確率的に多くの社員が裁判員やその候補になる可能性が高い大企業では、CSR(企業の社会的責任)の一環として、「特別有給休暇」を創設する方向性を打ち出しているところが多いようです。人員体制に余裕のない中小企業では頭の痛い問題といえるでしょう。


◆裁判員の選出方法

1.選挙人名簿から1年分ずつ、くじで裁判員の候補者が選ばれます。名簿に載った時点で本人に通知がきます。
2.事件ごとに候補者の中からまた50〜100人程度がくじで選ばれ、裁判所に呼び出されます。
3.その中から裁判員6人を選出します。
年間で3,500人に1人が裁判員または補充裁判員になり、候補者として裁判所に呼び出される人数はその10倍とみられています。




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